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研究室紹介:平澤研究室 ■ 平澤研究室はどんな所? ここでは、平澤先生を囲む賑やかな研究室の現状を学生の視点から紹介し、その後で平澤研卒業生の活躍などについても触れたいと思います。
平澤研究室は、早稲田大学理工学部大久保キャンパスの51号館15階にあります。隣が吉本研で前が松嶋研、斜め前が大野研と、偶然に揃ったとは思えない15階の4研究室のうちの1つです。中に入ると、まずパソコンが一列に並び、その上にテレビとビデオとプリンターがあります。いつも卒論や修論の時期になるとこれらの端末はみんなで占領されますが、普段は部屋の中央にあるテーブルの周りにみんな集まって、ワイワイと話をしていることの方が多いです。そして左手には、学科内で(自称)最大を誇る冷蔵庫、その上には鍋セットがあります。 平澤研究室の大きな特徴は、学生同士非常に仲が良いということです。平澤研は例年、平澤先生以下博士課程、修士、学部3、4年生で総勢40名近い大所帯です。ゼミのときには活発な議論が飛び交い、合宿のときにはみんなでソフトボールやサッカー、テニスをしたりと、みんなで研究も遊びも楽しみながら前向きにやろう、という雰囲気がとにかく強い研究室です。有志の仲間数人で本を輪講するといったサブゼミが日頃から行われたりと、研究に対しても自発的に進んでやるというスタイルの人が多いです。中には先生や先輩に、お尻を叩かれている人もいるようですが。。。
平澤茂一先生は、昭和36年に早稲田大学理工学部数学科、昭和38年に同電気通信学科を卒業されました。同年から三菱電機(株)で研究に励まれ、数々の特許も取得されています。昭和54年にUCLA計算機科学科客員研究員を経て、昭和56年から工業経営学科の教授となりました。昭和60年にハンガリー科学アカデミー、伊トリエステ大学客員研究員もされ、平成9年には世界最大の電気学会である IEEE の Fellow の称号を授与されました。これは、非常に優れた研究業績を持つ研究者に学会から贈られる称号であり、平澤先生の符号理論、情報理論の業績が世界に認められた証拠でもあるでしょう。現在も研究者、指導者として活躍されています。 平澤先生はこのように情報理論の分野では、非常に著名な先生なのですが、学生と交って話をするのが好きで、学生にはとても気さくな先生です。また、学生の研究指導には熱心で、時間を割いては個別に検討会を行い、一人一人と対話をしながら研究の方向を議論します。でも管理するのは嫌いで、自分でポジティブに勉強する姿勢を大切にしています。普段はあまり感情的に怒ったりしないのですが、あまりに学生が言うことを聞かないと、ときどき不機嫌になっているときもあります。そういうときは、さすがに出来の悪い学生たちも“まずいなぁ”と思って、少しの間がんばってみたりする訳です。しばし研究などに頑張った後は、打ち上げも兼ねてみんなで軽く一杯です。先生本人は前より飲めなくなったと言っていますが、実際は。。。平澤研に来ると、大量に飲まされるという噂がありますが、決して無理に飲ますということはありません。逆に学生が勢いで一気飲みなどしていると“お酒の飲み方を勉強しなさいっ”と怒られたりします。 このように学生から見た平澤先生の印象は、“非常に学生と親近感のある先生”といったところでしょうか。学生にとってすごく親しみ易い先生です。
学部3年生の4月に研究室配属され、大学における研究生活がスタートします。これからの一年間は、できるだけたくさんのことに興味を持って知識を増やし、勉強の仕方を学ぼうという期間です。3年生は研究室での毎週1時間のゼミを通じて、卒論のテーマ選定のための知識を増やします。新4年生はいよいよ卒論へ向けて、これまでの受け身の勉強を脱しなければいけません。4年生になると週2時間のゼミがあり、知識を増やすこともしますが、それ以外に卒論へ向けて鍵となる論文を決め、いよいよ卒業研究を本格的に開始します。徹底的に論文を読みこなして、成果を春の合宿で発表します。 春合宿が終わると、修士の1年生が忙しくなります。7月の学会発表に向けて追い込みとなり、修士にとってはこの時期が一番力がつく時期かも知れません。また、この時期から3年生はそろそろ自分の興味のある分野の解説論文を決定し、他の文献も参照しながら研究分野に対する全体像を理解します。その成果は夏の合宿で発表し、他の3年生にも自分が調べて理解した分野を紹介することになります。 前期の講義、修士1年生の学会発表が終わると、休む間もなく夏合宿になります。4年生はさらに卒業研究のキーペーパーとなる論文を時間をかけて読み込み、その結果をこの夏合宿で発表します。この頃からそろそろ卒業論文へ向けた具体的な研究目標が要求され、その準備は4年生にとっては結構大変なものです。ここで夏休み後の研究の方向を納得のいくまで議論し、各自研究テーマを絞り込んでから夏休みを迎えましょう。自分で本当にやりたいテーマで見通しの立つものをきちんと選ばないと後が大変。。。ここは頑張って、できるだけ文献を読み込んで自分の研究全体のイメージを作っておくことが大切です。 夏合宿を終えて、夏休みをばっちり楽しんだ後は、さらに本格的に卒論・修論へ向けた研究体制が始動します。研究にとって日曜日も祭日もありません。ちなみに、大学院生の休日は年末年始の5日間だけ(?)という話も。。。3年生は前期に続いて来年の卒論へ向けた準備として、毎週のゼミで知識を増やします。4年生は10月、11月と2回の卒論中間発表会を経て、自分の研究を進めていきます。同時に修士2年生と博士課程の人たちの学会発表が近づいてくるので、研究室内の研究体制がさらに高まります。大学院の学生にとって、秋の学会発表は自分の研究の集大成となるので必然と気合が入ります。秋の学会が終わると、いよいよ4年生、修士2年生が主役です。博士課程の先輩や修士1年生たちのサポートを受けながら、最後の追い込みに入ります。12月には最終的な研究成果をまとめ、全員が自分の研究発表をするための冬合宿があります。春と夏の合宿は午後からは、みんなで遊ぶ時間でしたが、冬合宿だけは朝から夕方までしっかりと検討会を行い、研究のまとめ方を納得がいくまで議論します。冬合宿が終わると卒論・修論は一気にラストスパートへ。そのまま年の暮れを迎えますが、クリスマス、大晦日、お正月を研究室で過ごす人も少なくない(?)とか。 新年を迎え、卒業論文・修士論文を書き上げると、2月初旬に卒論・修論審査会に臨み、一年間頑張った成果が実を結びます。審査会での研究発表を成功させたあとは、それまで夜を徹して研究室にいた4年生や修士2年生が来なくなって、しばし研究室が静かになるときを迎えます。この時期に来年度の準備や大掃除、謝恩会などが行われ、桜の咲く頃にまた新しいメンバーで研究室が新たな活動を始めます。
平澤研究室は“情報数理応用研究”の研究室です。その研究テーマとしては、@情報源符号化、A通信路符号化、B情報セキュリティなどの情報理論の分野、C学習理論と演繹理論に代表される知識情報処理、人工知能基礎理論の分野、D統計的モデル選択などの統計基礎理論、E情報検索などの境界領域基礎理論、といったテーマが多く研究されています。 @情報源符号化 A通信路符号化 B情報セキュリティ C知識情報処理 D統計基礎理論 E境界基礎理論 情報という分野の研究は非常に多岐に渡っており、近年の社会の急速な情報化によって、上に挙げた他にも興味深い研究テーマが数多く存在しています。
年3回ある合宿では発表が待っているので、それまでの準備は結構大変です。。。でも、研究室の先輩たちが後輩の研究を全面的にバックアップします。発表のある学生たちは、同じ分野の先輩を質問攻めにしますが、逆に質問される修士の学生は後輩の面倒を見ながら多くのことを学びます。ゼミ発表でくたくたになった後、春・夏の合宿では2日目の午後にはみんなでスポーツしたり、山に行ったり、釣りに行ったりとみんなで思いっきり遊びます。夜は毎晩懇親会♪。お鍋を囲んでみんなでワイワイとおしゃべりするのも楽しい一時になります。平澤研は、研究に対しても、遊びに対しても、思いっきりやるのがモットーです。 それから、平澤研の修士課程以上の人がすごく仲が良いからでしょうか、、、研究室の外に出ても一緒に山に行ったり、スポーツしに行ったり、飲みに行ったり、カラオケに行ったりと、気の合った研究室の仲間で遊びに行く機会がとても多いです。やっぱり研究を通じて、いわゆる“同じ釜の飯を食った仲間”というのは、こんな関係を言うのかも知れません。ちなみに、夏休みや連休などに一緒にテニスに行ったり、釣りしに行ったりするのは学生たちだけではなく、平澤先生が一緒のことも多いです。 こういう遊びに集中する時間も、ちゃんとその後の研究に役立っているのです(と信じてるだけ?)。とにかに何に対しても興味を持つpositiveな人になろう!と、みんなで言い訳をしながら遊びも全力投球です。勉強・研究に全力投球、遊びにも全力投球というのは受け継がれた伝統なのでしょうか。
平澤研究室では、これまで学外も含め多くの博士学位取得者を輩出しています。また、平澤研究室卒業生の就職先は次のような所があり、皆さんご活躍されています。
◆情報通信 ◆情報 ◆その他の製造業 ◆その他 ◆大学教員
平澤研究室では従来から圧倒的に電気・情報系への就職が多く、さらに研究所(R & D)が多いのが特徴といえます。これらは電子・情報系の研究者と互角に渡り合うような純粋な情報・通信関係の研究所が大半といえます。例えば,三菱電機・情報技術総合研究所、東芝・情報通信研究所、NTT・ヒューマンコミュニケーション研究所などです。平澤研究室でとくに修士課程まで進学した学生は、情報関係の研究に強く興味を持ち、就職もその方面で考える傾向があるようです。これらの研究職のOBは比較的、平澤先生や研究室とも関わり合いを持ち続け、企業にいながらにして博士論文をまとめようとする人も出てきています。 銀行や商社などは一時期非常に就職希望が多かったようですが、電気・情報以外の分野についても、コンスタントに就職者を出しています。こちらは、学部4年で卒業する人が希望するケースが多いようです。 また、大学教員の方々もやはり電気・情報系、数学科などの分野で多くご活躍されています。 その他にも郵政省や県庁など、卒業生は非常に多くの分野に進んで行きます。しかし、残念なことに就職後の近況が不明の方も若干名います。
平澤研究室の第1期は1982年卒業ですから、平澤研究室は20年以上の伝統のある研究室です。平澤先生が三菱電機に勤めていらっしゃったのが18年間ですので、すでにそれよりも長い時間を早稲田大学で過ごされています。この間、非常に個性的でかつ優秀な人材を多く社会に送り出されてきました。何に対しても一生懸命になり、ときには研究のために何日も研究室に泊まり込んで、ときにはスポーツに夢中になり、みんなでワイワイやりながら青春を謳歌する研究室のスタイルは、今でも受け繋がれています。研究室の仲間は、いわば“同じ釜の飯を食った仲間”であり、“苦労を共にした友”なのです。 平澤先生のもと、運命的に集まった仲間をこれからも大事にして、良い伝統は受け継いで、それから何事にも明るく前向きに取り組みます。これからも平澤研究室をよろしくお願い致します。 |
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